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高谷池ヒュッテ |
山小屋で目が覚めるというのは、
たいがい早く立つ人が荷物をまとめるときの
ガサガさというコンビニ袋の音です。
今回もそうでした。
もちろん前の晩に翌日の荷物をまとめておくものだけど、
寝てたときに着てた服や洗顔や水を出し入れするから、
最小限仕方ないのでしょう。
さあて、朝食です。
黒沢池ヒュッテの朝食は、クレープだとK林が言っていたけど、
まさか、そのとおりでした。
でも、生クリームやバナナやチョコレートは、ありません。
じゃ、何巻くの?
丸くて平たいカレー皿にクレープが丸いまま積みあがってるので、
テーブルについたみなさんで、1枚ずつ取って、
トッピングを乗っけて食べるわけです。
トッピングは、3種類のジャムとツナとひじきです。
しかもお代わり自由。
でも、クレープって食事として食べるものだったっけ?
だったら、惣菜パンみたいに
コロッケ、カツ、焼きそばを、
サンドイッチみたいに
ハム、野菜サラダ、卵サラダを巻いて食べれたらいいのになぁ。
5枚過ぎたら、だんだん飽きてきたよ。
でも食べないと、すぐに腹減るしなぁ。
K林とM島は、「ここの調理人は、前はクレープ屋にいたんでは?」
「そして、クレープをここの売りにしようとしてたりして。」と話しながら、
もう、クレープには手が伸びてません。
缶詰?フルーツもお代わり自由です。
ザックは、山小屋にデポしておいて、
サブザックだけで妙高山に登ります。
山小屋の横の道を登り始めるんだけど、
アップダウンが続いて、それほど高度を稼げません。
しかも、いったんグーンと降りて、
次にさらにグーンと登り返す登山道が前に延びているのが見えたときには、
一同、グッタリです。
HENATYOKO隊は、
ずっと単調に登り続けるだけなら耐えられるけど、
アップダウンが続いて、
複雑に心が揺れ動くのは、弱いのです。
登ろうという気持ちの萎えは、足の運びにも現れて、
スタスタ気持ちよく足が前に出ません。
しかも、湿原がある山だからか、
虫がずっとまとわりついて、ブンブン飛び回って困ります。
そんなこんなで、たどり着いた頂上は、
北峰と南峰の2つあり、
北峰には頂上の標識と三角点が、南峰にはお地蔵さんが安置されてます。
昨日とは違って、
雲は多いものの、遠くの景色を見ることができて、気持ちいい〜。
連なる山々が雲の海に浮かぶ島のようって表現は、
そのまんまです。
頂上の東側は、逆光になり青く霞んでよくは見えませんが、
妙高高原スキー場などのリフト小屋やレストハウスの金属の屋根が、
朝の光を受けて、キラキラ輝いていて、
さしずめ、「宝石箱やぁ〜(by 彦麻呂)」です。
登山って、スポーツだけど、美術館へ行くようなもんじゃない?
登るのはマラソンするように辛かったりもするけど、
山頂からの景色は、絵画を鑑賞するようでいて、
しかも、そこに存在していて、見渡せるパノラマで、雲や光や色は刻々と変化していくなんて。
贅沢な美術鑑賞だと思う。
このきれいな景色を心に書き留めもしたし、写真もたくさん収めたし、
山頂のご夫婦には、葡萄をいただいたし、
もう満足ですぅ!
登った道を引き返し、黒沢池ヒュッテに戻って、
デポしたザックを拾って、笹ヶ峰に降ります。
黒沢池ヒュッテの下には、広い草原が広がり、
おそらく、夏には生命力を感じさせる濃い緑だった草が、
少し淡くして、黄色く色づき始めています。
もうひと月も過ぎれば、
山の樹は、冬を迎える用意を整えていることでしょう。
今日は、土曜日とあって、登ってくる人たちの数が多く、
どこかの学校の行事として、高校生が集団で登ってきてます。
湿原を見に行くのかな、登りやすく親しまれている山なのでしょう。
再び、黒沢橋で一息入れれば、登山口はもうすぐです。
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